暁のヨナ 196話 34巻の収録だと思うのでネタバレに気をつけてください

花とゆめ, 暁のヨナ

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第196話「奪う者に奪われた痛みを」 | 34巻

「イル陛下が・・・」

「国を守れないと 判断したら・・・?」

「降りて頂くか」「或いは・・・」

「スウォン・・・」

「父上の仰る事は 正しいです  神様に国は任せられない」

「父上の最期の言葉に 共感出来て」「私は 嬉しいです」

「スウォン・・・  待って・・・」

 (混乱する・・・)(どこから  何を言えばいいの・・・?)

「イル陛下への憎しみは わかるわ・・・  でも ヨナは・・・」

「ヨナはどうするの・・・」「イル陛下を断罪したら ヨナもただでは済まないのよ?」

 (この子は なぜ)

「あなた達・・・ とても仲良しでしょう・・・?」

 (こんなに 淡々と・・・)

「母上」「イル陛下と ヨナの話は」「別です」

「え・・・」

「考えるべき事を 全て同じ箱に入れてしまうと 一生かかっても 答えは出ません」

「効率よく判断し 素早く回答しないと 国を壊してしまうと 父上は仰っていました」

「ヨナは 仲良しですが」「その箱を一番に掬い上げるのは」「私は違うと思います」

「父上の代わりになると 言ったでしょう」

「神様は必要ありません」「私は全て自分で 見極めます」

暁のヨナ196話 花とゆめ2020年19号

■あらすじメモ

遠乗りに出掛けて 崖から滑落・・・、ユホン様が 亡くなられた。

変わり果てた その姿を 直視することが出来なかった ヨンヒは、夫の死を受け入れられず 恐怖と悲しみに暮れ、食事も喉を通らない。

だけど 気丈な息子・スウォンが そばにいてくれたから、「私が父上の代わりになりますから 今すぐは難しいけれど ちょっと待っていて下さい」と言ってくれたから、気持ちを 前向きにすることができた。

 (しっかりしなくては・・・ スウォンが明るく振舞っているからと言って 大好きな父様を亡くして 平気な訳ないわ・・・)

そう考えながら 城の中を歩いていた ある日の夜、ひっそりと人が集まって 何やら話し込んでいる場を目撃した ヨンヒ。

声をかけられる雰囲気ではなく、スウォン・ケイシュク・ユホン様の護衛兵たちの密談を 立ち聞きする。

すると スウォンの口から、「父上の御遺体を調べて来ました」という 驚きの言葉が。

 (御遺体を・・・?  ユホン様の墓を暴いたの・・・?)

 (スウォン・・・!? 一体何を・・・)

損傷が激しくて分かりにくかったが 背中に剣で刺された痕があったと、スウォンは 護衛兵たちに報告する。

 (!!?)

「・・・ではケイシュクの言ったことは 真だったのか・・・」

「おかしいとは思っていた あのユホン様が誤って 崖から落ちるなど」

「これで はっきりした」

「ユホン様は イル陛下に  殺されたということが」

 (なに・・・ を・・・・・・)

イル王が背後から ユホン様を刺した、と 苦々しい表情で話す ケイシュク。

ただ ひとり、自分だけが見ていた その瞬間を、あの日のことを みんなに語り始めた。

ケイシュクは ユホン様の御供をしていたが、遠乗りに行く時 二人で話をしたいから 席を外すよう言われた。

しかし、イル様から誘っていたことが 少し気になり、そっと後を追い ユホン様イル様の会話を 盗み聞きする。

初めは、たわいない話をしていた ふたりだが・・・

「・・・ねぇ 兄上」

「私の妻 カシはね・・・  神官の生き残りの・・・・・・ 巫女だったんだよ」

「知っていたかい・・・?」

「・・・・・・・・・・・・いや」

「そうだったのか?」

「・・・・・・ ・・・そう」

次の瞬間、イル様が 背後から、ユホン様の背中を 剣で刺した。

「・・・どうして そんな不思議そうな顔をするの・・・?」

「兄弟なんだ  兄上の嘘くらい 見抜けるよ」

「知っていたんだよね?  いや・・・ 知ってしまったのか・・・?」

「だから  カシを殺したんだろ・・・?」

カシは ただの巫女じゃなく 父上も認めた存在で、ヨナは 緋龍王の生まれ変わりだと訴える イル様に対し、ユホン様は「訳のわからん妄想に取り憑かれてないで 現実を見ろ!!」と一蹴した。

「お前は 高華国の王なんだぞ!!」

「お前が王として 正しく君臨するのなら 俺は喜んで忠誠を誓おう  残りの人生を お前にくれてやろう」

「だが そんな所で 何の役にも立たん藁にしがみつくな!!  俺達の国を 神なんかに任せられるか!!」

「・・・・・・・・・  あなたと共には  一歩も歩けない・・・」

涙を流して そう呟いた イル様は、自分の剣は 決して抜かなかった ユホン様を、崖に突き落とした――――

ケイシュクには、“意味不明の妄言を吐く イル王を、ユホン様は 必死で説得していた” ようにしか見えなかった。

怪我で動けず 止めることができなかったことを、深く後悔している ケイシュク。

ケイシュクの話を聞き、イル様への憎悪を膨らませる ユホン様の護衛兵たち。

そして、驚愕の事実に震え 立っていられなくなる ヨンヒ――――

 (イル陛下がユホン様を殺した・・・ でもそれは ユホン様がカシを殺したから・・・)

 (ユホン様が あの日 私のもとへ来るはずだったカシを・・・・・・・・・)

 (カシ・・・ ユホン様・・・)

ユホン様の護衛兵たちは、イル様を 玉座から引き摺り下ろすべきだと 主張する。

その流れを止めたのは スウォン。頭に血が上った状態で動くのは 良いと思わない、と 皆を諫めた。

「イル陛下のお考えも よく分からない所が多いですし 王が代わったばかりで 政権争いを起こせば 国が乱れます」

「私に時間を下さい」

まだ9歳だというのに、冷静で 行動力もある スウォンに対し、ユホン様の意志を絶やしたくない者たちは 一斉に期待を寄せ始める。

あの御方が 王になれば、ユホン様が 成し得なかった夢が、大陸全土を支配する 高華国が、叶うのではないか・・・と――――――――

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