それでも世界は美しい 最終回 25巻の収録だと思うのでネタバレに気をつけてください

花とゆめ, それでも世界は美しい

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花とゆめ12・13号の それでも世界は美しい、感想です

完結コミックス 最終25巻は、8月20日 発売予定!

ネタバレ配慮してなくて すみません

■ニケを取り戻すため、守護者システムを 世界中に公表し、そして その上で、皆に ニケを取り戻す助力を請うのは どうだろうか―――― と言い出した リビ。

それは 世界中ひっくり返るような 提案で、ウルスラたちは 反対する。

リビは、決して 軽はずみで言っているわけではない。

そんなリビに 唯一 賛同したのは、まさかの ロミオだった。ただ それは、反対国派からすれば リビの統治が揺らぎかねないから、という理由。

「ニケ姫達はオレ達を “支配”してるわけじゃないが それでも “生かしてくれてる” 絶対的存在だ」

「お前じゃない誰かが 世界を握ってると公表すれば  それは“太陽王”より もっと重い存在があることを意味する 断言するが」

「お前の権威は 失墜する」

ニールが言うにも、今の体制が すぐ壊れたりはしないと思うが、民の意識が大きく変わり この先どんな未来になるか 想像つかない、と。

しかし もう覚悟を決めている リビは、恐れない。

「俺はこれを言い出したのは、何も ニケの為だけじゃないんだ」

「今回の事で わかった この星に住んでる連中は皆同じ舟の住民だって」

「だからって 幻想抱いてるわけじゃねぇよ とんでも無い奴も どうしようもないやつもいて それが世界だし それでいいんだ」

「でも俺は ずっとそれが許せなかった だから」

「爪を立てる側に回って 先に世界を牽制した  そうしなきゃ生きられなかった」

「それ程に 脆く 怯えていた」

「今は 不思議と静かなんだ 俺が急に変わったわけじゃなく」

「俺の本当の 望みが わかったから」

「俺は多分 ずっと  世界を 信じたかったんだ」

 (信じたかったのに それが許されなかった状況に  傷付いていたんだ)

「皆とこの情報を 共有することで それに賭けてみたい」

「俺はこの世界を そのまま 受けとめたいんだ」

 (信じた世界は 丸腰になった俺に  再び牙を剥くだろうか?)

 (それでもいい)

 (それごと  受け入れよう)

バルドや ウルスラ・ネロ、ニール、ロミオ、みんな リビの言葉を聞くと、考えを変え 心から納得し、進んで 協力してくれるようになった。

まずは 各国に賛同を得ること。神官庁の対策もしなくてはいけない。他にも いろいろ・・・

大変だが、みんなが リビとニケのために 力を貸してくれる。

そんな様子を見ていた 悪霊・シドンも、リビに対して 人間に対して、心を開いてくれるようになった。

「お前が信じた世界  私も信じてみよう」

リビは 国民に、守護者システムを公表する。

最初は もちろん 戸惑う国民だが、リビの丁寧な説明と ニケの人望のおかげで すぐに受け入れられ、石碑探しを 手伝ってもらえた。

 (そう  そうだ)

 (俺は これから  世界を信じられる自分を 生きていく)

 (傷付いてもいい)

 (全てを失っても構わない)

 (それは きっと)

 (シーラが俺に見せたかった世界)

 (“信じる”  その勇気をくれたのは おまえだ ニケ)

 (俺の世界の  最初で最後のピース)

 (俺を自由にする力)

■年々 大きくなる ニケを呼ぶ声。その歌は 空にいるニケに しっかり届いている。

ところが、喜びよりも 戸惑いの感情のほうが 大きいニケは、暗い表情。

そんなニケに 前の守護者・ティルスは言う。悪霊(彼女)の完成が間近に迫っている、もうすぐ彼らは 成し遂げようとしてる、「人間は すごいね」と。

「でも私・・・ 行っていいんだろうか・・・  私・・・ 守護者なのに・・・」

「私は力不足だったばっかりに 君に我慢を強いてしまった  でも 大丈夫」

「もう 大丈夫だから」

「アマタアラが 光り出した 交代を 全ての天象者が承認した」

「ニケ お別れだ」

「ありがとうっ あなたに会えて よかったっ」

「感謝は 君を諦めなかった全ての人に」

そうして、帰っていくニケを 笑顔で見送って すぐ、ティルスのもとへと やって来たのは――――

「やっと 君も 自由になれたんだね」

「シドン  会いたかったよ」

■碑を捜しはじめてから 6年が経過していた。悪霊が消えて ひと月、しかし 未だニケは戻らない。

“交代” は上手くいかなかったのか? だが 空の虹は消えていない。守護は続いている。

こちらとあちらでは 時間にズレがあるから その影響ではないか、と推測する ガルタ

「ただ陛下が 明るく振舞ってはいますが  やはり日ごと 落ち込んでいる気がして」

「毎日 ニケ様と昔 落ち合った草原へ行っております」

■悪霊を送りだす儀式で 無理をしたアルは、3日間 目を覚まさなかったが、今では すっかり回復。

リビが作った花畑に咲く 美しい花々を、ツバイと一緒に 静かに眺めている。

「今でも 毎日ニケ姫の部屋に お花飾ってるんだって」

そして ツバイは、この前 ニケのお婆ちゃんが来た時 話した内容を、アルに 伝え始める。

古文書の真相を知ると ニケ姫を助けたいあまり 嘘をついて、カラを差し向けた 婆。

そもそも運命のようなものに 対抗できるわけなかった、でも 思ってしまった、“それでも” と――――

「大事な孫(カラ)に 犠牲を強いてでも思ってしまったって  “それでも ニケを助けたい” って」

ツバイの話を聞き、過去に 大切な相手から「世界を壊してくれ」と言われたことを 思い出す、アル

「私は それでもって言葉 とても好きなんだ」

「その響きには 根源的な 人の叫びがある」

「理不尽さに 悲しみに  抗う叫びだと思う」

「善き方にも 悪しき方にも  人が“それでも”と叫ぶ時  “物語”が生まれる」

「それこそ “想いと実感”なんだ」

「うん」

■ニケと昔 落ち合った 草原にいる、大きな体 精悍な顔立ちの リビ。すっかり 大人の男性になっていた。相棒のヨルも 大きく成長。

この場所に現れる保証は ないのだが、それでも毎日 訪れ、今日も 空を見上げ ニケを待つ。

すると その日、空が 小さくチカチカと光り、気がつくと 後ろに ニケの姿が――――――――!!!

「リビ・・・ なのか・・・」

「俺の方が 年上に なっちまったな」

「ニケ 帰って・・・ きて  くれたんだな・・・  ニケ・・・  ニケ  ニケ」

「帰ってきたよ  お前のお嫁に なりに来たよ」

 (空に  雲に  響くように  世界は歌い続ける)

 (願いを  物語を 折れないように 何度でも)

 (それでも世界は美しい、と)

 (それが私達の想いと実感)

それでも世界は美しい 最終話

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