それでも世界は美しい 136話 24巻の収録だと思うのでネタバレに気をつけてください
花とゆめ24号の それでも世界は美しい、感想です
最新コミックス23巻 発売中!
ネタバレ配慮してなくて すみません
■置いていかないで、君がいなくなったら 僕も一緒にいく、と言って 泣きじゃくる アルに、怨霊の一部は 嘘をつく。
生きる気力のなかった頃の彼に 戻ってほしくなかったから。彼に 生きていてほしかったから――――
「アルターリア・・・ よく聞け 私からお前への “頼みごと”だ
わ・・・ 私の本体は 黄昏の国 北の最奥に眠っているんだ だから・・・ ここで この私が消えても 大丈夫だ」
「本物の私を起こしに そこまで来てくれ そうしたら 今度は ずっと一緒にいられる」
「ぼくを忘れたりしない?」
「しない 大丈夫だ お前を待ってる」
(嘘だ 私達は独立した意識を持っている 記憶は引き継がれないし この個体(わたし)は ここで終わる この希望は 偽りの希望だ)
最奥への道を閉ざす氷を溶かすために 破局コードが必要になること、この世の破滅を招く “破局コード”は 雨の公国人にしか出せないことを、アルに伝えた 悪霊の一部。
再び会うためには 世界を壊すしかない。そう アルに信じ込ませた。
行きついても 今以上に アルは絶望する。それでも 生きていてほしいと、怨霊の一部は 願ってしまった。
(嘘に 嘘を重ねても)
「お前といられて 面白かった 今度は もっとずっと一緒にいよう」
(これだけは 嘘じゃない)
「私の為に 世界を壊してくれ」
目の前で消えてしまった 君(怨霊の一部)に もう一度 会うため、それからのアルは “何でも” していく――――
■アルの無意識から 更に奥の、“怨霊の一部” の意識に入っている ニケ。
怨霊の一部は ニケに問いかけた。なぜ 世の中には アルのような人間がいるのだろうか、と。
「結局 私のしたことは 一度 生き返った心を 再び殺し 未来に もう一度 殺した その結果が これだ
姫 何故世の中には アルのような人間がいるんだろう ただ孤独に 無残に ふみにじられて 苦しみも 悲しみも 誰にも届かない そういう人間は なぜいるのだ
苦も無く 愛し愛される者と 何が違うのだ 私には アルが たまたま受難することを強いられた 生贄の羊に見える」
■アルの記憶を見て 戻ってきた ニケは、怒りと 悲しみと 虚無感に 襲われる。
「だけど 一番 悔しいのは アルが何の実感も無いまま 死んでいってしまうことなんだよ
生贄の羊のまま その狭い世界の中で それを・・・」
(思ってはいけないだろうか 哀れだと)
「可哀相だって・・・ ただ ただ 可哀相だって
できることが あったんじゃないかって 思うのは いけないことだろうか?」
■今にも死んでしまいそうなアルを 助けるための「最後の手段」が存在することを知った ニケは、その方法を教えてほしくて 守護者に詰め寄るけれど、守護者は 隠そうとする。
それは 何故なのか、ニケは 気づいてしまった。
「なあ前にアルが言ってたらしいんだ 雨の公国の高位術者は 必ず現れるって
同じことを さっきあの子も言ってたんだ “次”がやってくるって
少雨化は ここ百年で 劇的に進んだ もしかして “こうならなく”ても もうアンタは限界だったんじゃないか?」
「それ以上は・・・ ニケ どうか・・・」
「もしその守護者が そうやって交代してきたものなのなら」
「ニケっ」
「“次”に選ばれたのは 私じゃないのか?」
自分の 本当の運命を知った ニケ――――――――
今の守護者が ここで全ての力を使い 治癒すれば アルを助けることができるけど、その場合、今の守護者は 守護者を降りて、次に交代しなければいけなくなる。
ニケが 次の守護者になれば、ニケは リビと会えなくなってしまう。
(やだ そんなの 嫌だ――――・・・)
それでも ニケは、どうしても、アルも 世界も、見捨てられない。
「守護者さん アルを治してやってくれ あなたのかわりは 私がなるよ
だから 少しだけ話をさせてくれないか? リビと 最後に」
次回、137話は 2号!