暁のヨナ 201話 35巻の収録だと思うのでネタバレに気をつけてください

花とゆめ, 暁のヨナ

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第201話「翳り」 | 35巻

「ハク・・・」

「最後に もう一つ  手を出して下さい」

「手?」

「・・・・・・っ」

「専属護衛 いらないって 聞いたんですけど」

「・・・・・・それは・・・っ」

「そんなに俺を 守ろうとしなくて いいよ」

暁のヨナ201話 花とゆめ2021年02号

■あらすじメモ

■ヨナが 王の代理をしているのは スウォンの体調不良のせいなのではないか・・・と、気がついてしまった ハク。

その直後、ひとり歩いていたハクが ヒューリに襲撃される。

もちろん ハクも応戦、激闘の末――――

■気を失っていたハクが 目を覚ますと、そこは 牢屋の中だった。

左手を負傷している ハクを、牢屋越しに見下ろす ケイシュク参謀とヒューリ。

しかし この状況は、ハクにとって 計算通りの流れ。ケイシュク参謀に会うため わざと捕まった。

ハクに「これはスウォンの命令か?」と 尋ねられ、否定する ケイシュク参謀

陛下は与り知らぬ事で、お前が陛下に一定距離 近づいた時は殺せと伝えてある、と。

じゃあ なぜ俺は起きている? という ハクの問いには、答えず 無言。

「まあ スウォンの命なわけないか」

「俺に気付かないくらい 弱ってたもんな」

「あんたもヒューリも この話をしたら 顔色が変わる 姫さんが王の代理をしている原因は スウォンの体調か?」

「・・・・・・・・・」

「・・・なにも不治の病って訳じゃねーんだろ?」

一層 目つきが鋭くなる ケイシュク参謀は、ただ 黙っていた。

「・・・まさか 本当に  そうなのか・・・?」

「お前はそうあって欲しいと願うだろうな」

右手に剣を持ったヒューリが ハクに近づく。逆に、ケイシュク参謀は ハクに背を向け 立ち去ろうとする。

スウォンが死にそうになっていると知ってしまった 俺のことを、今ここで 殺そうとしている――――

そう理解したうえで、ハクは ケイシュク参謀に言う。

「姫さんと四龍とユンを自由に会わせてやってくれ」

「四龍やユンは たとえ秘密を知っても 言いふらしたりはしない」

「城を出て  姫さんはあいつらのお陰で 明るく笑えるようになったんだ」

「頼む」

しかし ケイシュク参謀は、ハクを無視して 出て行ってしまう・・・ところだったが、扉を開けると そこにはヨナがいた。

ミンスが ヨナを 連れて来てくれたらしい。

「通しなさい」

ハクを助けに来た ヨナ、中へ入り ヒューリに下がるよう 命じる。

ケイシュク参謀が「これは王を守る為の掟です 王の身体に関する事は 国の最重要秘事・・・」と説得しようとしてきても、当然 聞き入れない。

「それは私も 理解出来るわ」

「でも 南戒との戦を前に 随分余裕ね」

「私と四龍を 敵に回したいの・・・?」

「あなたはハクという不安材料を 消したいんでしょう?」

「それがどれ程 私達の怒りを買うか わからないはずない」

「戦に集中したいなら  スウォンを守りたいなら」

「賢明な判断を  ケイシュク参謀」

迷っている様子の ケイシュク参謀に、再びハクが 訴えかけた。条件を提示した。

俺を 戦の最前線に置け、と――――

「ここでただ殺すより 無駄じゃねえだろ」

「俺も 高華国は守りたい」

「それだけは  同じ方向を向いてるはずだ」

「・・・わかりました ヨナ姫」

「ただし雷獣は しばらくここに居てもらいます」

■ケイシュク参謀たちが 立ち去り、ハクと ふたりきりになった途端、その場に 力なく座り込んでしまう ヨナ

ハクが生きていた、手遅れじゃなかった、助けることができた安堵感で いっぱい。

「来てくれて ありがとうございます」

まるで何事もないかのように、「あ お久しぶりです」と ハクは笑う。

「・・・昨日  会った気がするけど」

「やー あんまり顔見えなかったんで 階段でコケてたでしょ」

「まだコケてない」

「ハクこそなんで危ない事したの」

「・・・・・・」

「いい加減・・・  情報が欲しかったんですよ」

「・・・・・・」

「スウォンの父ユホンは イル陛下から殺害されたのだと ジュドから聞きました」

「それは  本当ですか?」

無言で・・・ 少し目を伏せて、ヨナは うなずいた。

「じゃあスウォンは その復讐で・・・」

「単純に復讐だけではないわ・・・」

 (スウォンはその後 10年も父上を見定めていたのだから)

 (スウォンが私の箱を掬い上げないと言った時 妙に納得した)

 (だから あのように生きられるのだと)

 (大切なもの全て掬い上げてしまおうとする ハクに  どう話せばいいんだろう)

「・・・すみません どうしても あんたの口から聞きたかった」

ヨナの困惑を 察したのか、話を切り上げた ハク。ただ 最後に、手を出してほしいと ヨナに頼む。

すると その手を掴み、牢屋越しにキスをして――――――――

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