暁のヨナ 197話 34巻の収録だと思うのでネタバレに気をつけてください
詳しく感想を書く余裕が なくなってしまったので、できるかぎりで ちょっとでも販売促進…!!!
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第197話「ふるえる文字」 | 34巻
ヨンヒさん
私はこの通り
未熟で 臆病で
人どころか 自分ですら上手く 動かす事が出来ない
誰に言われずとも 分かっているよ
私は王に 向いていない
きっと あなたのご子息の御眼鏡には 適わないだろう
私は彼に 殺される
これはカシも 予言していた
でも 私は彼を 迎え撃ったりはしない
その日が来たら 受け入れる
決して 武器も持たず
争いを放棄する
もう二度と
誰かを殺したくないんだ
花とゆめ2020年21号
■あらすじメモ
執務室で ひとり、ヨンヒの手記を読んでいる ヨナ。
母・カシは ユホン伯父上に殺されていたこと、だから イル父上は 伯父上を手にかけたこと、そして 自分が殺されなかったのは きっと母上のおかげであること――――
知らなかった事実を 次々と知っていく。
そんなヨンヒの手記も、終わりへと近づいていた。
病気が進行して 自身の死を悟った ヨンヒは、ひっそりと書き綴ってきた この手記を、イル陛下に託すことを 決意する。
そこからの文章は、イル陛下への 手紙のような内容になっていた。
もしも陛下が 私やユホン様に関わる すべてが憎いとお思いならば、この手記は 燃やして下さって構わない・・・と 前置きしてあるうえで。
ただ・・・
これから貴方様と ヨナに起こるかもしれない 未来を
私は何としても 阻止したいのです
ユホン様を慕っていた部下たちが 徐々に集まり、その中心には スウォンがいる。
ヨンヒには スウォンが、これからの陛下を どう見てゆくのか 知る事も出来ない。
顔色も変えず「イル陛下を殺したいですか」と問うた あの子が 恐ろしい。優しいスウォンから そんな言葉が出てくるなんて 信じたくない――――
だけど 死を前にして、“私が あの子を ちゃんと知らなかっただけ” “どの姿も偽りない 本当の あの子” だと、しっかり 向き合えるようになった。
私はあの子が何より 大切で愛しい
どう思われても
それだけは 変わる事はありません
ならば何故 私が この手記を貴方様に託し スウォンの立場を危うくする事を 伝えようとしているのか
貴方様は不審に 思われるでしょう
ヨンヒは 過去、大神官様に対し 偏見と・・・差別にも似た感情を抱き、止められたかもしれない過ちを 犯してしまったこと、深く深く 後悔している。
私が 大神官様を理解し、お互い 歩み寄れるよう 私が働きかけていれば、たくさんの悲劇は 起こらなかったかもしれない―――― と。
私は この死の連鎖を 断ちたい
これ以上 スウォンと陛下を
延いては スウォンとヨナを 憎しみ合わせたくないのです
スウォンには 私の声は響きません
どうか イル陛下
子供達の為にも 和解の道を探しては頂けませんか
残りの時が 少ない事を理由に
勝手ばかり・・・ 申し訳ありません
本当は 最後に お会いして お話ししとう御座いました
イル陛下の御世が 絶える事ない幸福で 満たされますよう・・・
イル陛下が ヨンヒの手記を読んでいたのだとすれば、スウォンが いつか 自分を殺しに来ると分かっていたはず。
父上は どんな思いで 読んでいたのか? 今となっては もう、直接 聞くことは叶わない。
しかし、ヨナは 見つけることができた。手記に挟まっていた かわいい栞の中に、その答えが記されている 一枚の紙を。
イル陛下から ヨンヒに宛てた、文(ふみ)だった。
こんな所に認めても 届く事は無いと分かっていながら あなたの文字を見ていると涙が止まらなくて
書く事で あなたと向き合い
自分と 向き合っています
あなたは・・・長年 私達兄弟の不仲に 心を痛め 巻き込まれてきた
あなたは自分のせいで 神官弾圧が起こり 私達が決裂したと思っているようだけど それは違う
幼少期から 性格も思想も、まるで違っていた 兄弟。
能力に優れ 民に愛されている 兄への妬みが、緋龍王の血筋(ヨンヒ)という存在が現れたことで 弟の心に吹き出てしまった。
でも それは、ヨンヒのせいではない。
イル陛下とユホン様には 信頼関係がなかった。イル陛下は ユホン様と話をするのが 苦手だった。
本音で話せなかった・・・どころか、本当に言うべきことと 違うことを口走ってしまうほど――――
カシが偉大なる母だとか ヨナが緋龍王の生まれ変わりだとか
あの時 伝えたかったのは
理解して欲しかったのは そんな事ではなかったのに
カシが好きだった 愛していた
兄上があなたを何より 大切にしていたように
私にも代え難い存在(ひと)だったのだと
彼女は私を 騙してなどいないと
信じて欲しかった
カシは巫女だから 何でもお見通しだと思っていた イル陛下は、カシにも 気持ちを真っすぐに伝えられていなかった。
そんな自分のことを、未熟で 臆病で 王に向いていない、と記す イル陛下。
そして、いつか来るであろう スウォンに殺される日を、抵抗せずに 受け入れる、と。
もう二度と 誰かを殺したくないから――――
イル陛下は 自分が王になりたいと願ったことは なかった。
ただ強く 決意したのは、神官弾圧を起こした 兄上だけは 王にしてはならない、ということ。
私は “つなぎ”だ 次の王が立つまで
ヨナがいずれ 四龍を集結させるまで
今の私に出来る事は
緋龍王の生まれ変わりであるヨナを 無事に育てること
カシのような哀しみは 二度と起こさせない
妻を亡くしてから 人を信じることが出来なくなった イル陛下。
まだ幼いヨナは いつも淋しそうに スウォンが来るのを持っているけど、スウォンと歩み寄ることは 難しい。
なぜなら、“スウォンは ヨナの箱を掬い上げない” と、ヨンヒの手記にも あったから。
その選択も一つの運命かもしれない
でも
私が死んで ヨナを切り捨てると分かっていて
受け入れる事は 出来ない
いつかヨナが 独りぼっちになっても
ヨナを誰より大切に 想ってくれる者を
私は側に置きたい
何があっても
裏切らない者を